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BAR・エロス
第11章 面接・・
疲れた・・・
頬杖をつくと
体の重みが全部片腕にのしかかる気がした。
今夜はもう相手など探せない。
そんな気になれない。
それに・・
紫苑の感触が抜けないし、もうすこし
このままにしておきたいし・・
「今日はこれで帰るわ」
力なく席を立つ。
金を払おうとすると
紫苑は首を振り手で止めた。
「そう・・じゃあ、ごちそうさま・・
また・・来るわよ、必ず・・・」
「お待ちしています」
そっと腰に手を当て
ドアまで見送ってくれた紫苑が
甘い声で囁く。
「最高でしたよ、梓さん・・・」
その唇が頬をかすめるようになぞる。
無言のまま彼を振り返り
ドアを押そうと手をかけた瞬間、
重みがふっとなくなった。
体が前へつんのめると同時に
あっという男の声がした。
体勢を戻して声の出どころへ目をやると・・
あの男だ。
1人目の相手、あの彼だった。
男も私を確認すると、一瞬にして表情を変え
息を弾ませ声を上げた。
「あなたでしたか!やっぱり会えましたね、よかった。
必ず会えるって思ってました」
もし再び会う事が出来たら、その時には
連絡先を教える、そう約束するくらい
この男を気に入っていた。
4度目の夜に、よりによって
こんな夜に顔を合わせるなんて・・
「もう帰ってしまうんですか?
この後何か予定でもあるの?」
男は私を引き戻して
紫苑にむかって手をあげているが、
彼の腕を揺らして合図する。
今夜はダメだ、と。