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BAR・エロス
第14章 今夜の相手は・・

・・さてと、シャワーを使わせてもらうか・・

一通り見学し終わってから、
彼の言葉に甘えることにしようとバスルームにむかった。


シャワーを浴びながら化粧も落とす。

来る途中で化粧落としやトラベル用化粧品セットを慌てた買い込んだ。

50女の素顔をさらすのは、もしかしたら
裸以上に恥ずかしいかもしれないが、
私はかまわず化けの皮をはいだ。



バスローブを羽織り髪を乾かし、
風呂上がりのこの瞬間はみずみずしさの残る顔を鏡に映す。

・・今なら堂々と見せられるんだけどなぁ・・

どうか紫苑が帰ってくるまで
この水分を保っていられますように、と両手を組んだ。


次にキッチンへいき、冷蔵庫を開けされてもらう。
中には栓のあいた白ワインがあったので、
これをいただくことにした。

普段自宅で飲む時と同じく、ワイングラスになみなみと注いだ。
甘口でフルーティーな味は私の好みにピッタリだ。


カウチに寝転がり、窓の外の光の瞬きを眺める。

紫苑はこの夜景を見ながらどんな夢を見ているのだろう・・

彼はいったいどんな生活をしているのだろう。
そして
なぜ
BAR・エロスで働くことになったのだろう・・


こんなすごい場所にマンションを持ち
1人で暮らしている紫苑の事情というものに、
女なら興味がわかないわけがない。
あんなに謎めいている
美しい男のことを、
知りたくない女なんていないはず・・


その時、
玄関でチャイムが鳴った。


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