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BAR・エロス
第14章 今夜の相手は・・
「おかえりなさい」
久しぶりに口にした言葉。
離婚してからはそう声をかける相手がいなかったのだから仕方ない。
それにしても・・
心に響く・・
「ただいま」
私の姿を上から下までじりじりと眺める。
「下着を着けない女が出迎えてくれるって、
疲れが一気に吹き飛ぶね」
「どうしてわかるの!」
彼には透視ができるんじゃないのかと思わずにはいられない。
バスローブ姿だからといって
下着を着けていないとは限らないのに、
ああもきっぱりと言い切られると
やっぱり透けて見えているのかもしれないと本気で思ってしまう。
本当にこの男は普通の人間なのだろうか。
今夜は彼の頭の中も調べなきゃ・・
ボサッと突っ立ったままの私の手を引いてソファに座ると
カウチにこの身を押し倒してキスをしてきた。
ソワソワとし始めたこの体が少しづつ潤ってきたところで
紫苑は体を起した。
「僕もシャワー浴びてくるよ」
なによ、じらして、意地悪して・・
抗議のつもりで眉間にしわを寄せると
「すぐだから待ってて」
頬をなぞらえるようにつぶやくと
この体を抱き上げ、ベッドへと運んで横たえた。
紫苑がバスルームへと消えると
私はローブを脱ぎ、裸になって毛布の中にもぐりこむ。
フワフワとした温かさが裸の私を包み込む。
互いが全裸になるのは初めてだ。
面接の時には上半身をいくらかでも隠すものがあったから、
一糸まとわぬ姿をあらためてみたら、
彼は私のことをどう思うのだろうか・・