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BAR・エロス
第16章 揺れる心・・
夕方5時に仕事を終え
のんびりとした足取りでロッカールームへと向かっていると
後ろから私を呼び止める声がした。
修だった。
「あれ、柏木くん、今日休みじゃなかったっけ?
今来たの?」
今週末、修は連休だといっていた。
おまけに夕方から出勤ということは
夜勤なのだろうか。
「うん、本宮さんと木村さんの2人が
急に出られなくなっちゃったんだって。
で、オレに呼び出しかかっちゃったってわけ」
面倒な事を頼まれたにしては不機嫌さは無いように見える。
どちらかというとにこやかにさえ見える。
「えらいね、急な呼び出しにもそんな笑顔でさ。
見習わなくちゃねぇ」
「でしょ?オレに惚れ直すでしょ?」
「えっ?」
「今日の夜勤引き受けてくれたら
好きな日に休みとっていいっていうからさ。
次の梓さんの休みにあわせてとろうとおもって。
来週のシフトは?いつ休み?」
ほんの何十秒だったのだろうが、
言葉が出てこなかった時間がとても長く感じた。
「・・梓さん?」
「え?ああ、ごめん。
あんまりうれしくって言葉を失ってしまいましたよ」
そう取り繕って笑うのが精いっぱいだった。
来週も日曜出勤で月曜が休みだと伝えると、
日曜の夜六本木のホテルをとっておくといって
彼は仕事場へと向かっていった。