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第17章 エロスのママ・・

私はね、２５歳の時に

お見合いで結婚したんです。

相手は商売人の長男でね。跡継ぎだったわけですが・・

私どもには子供が授からなかったんです。

その頃は子供の産めない嫁なんて役立たずでしかなかった・・

次男夫婦には子供がおりましたので

跡継ぎに関しての先の心配はなかったのですが・・

主人は長男としてのメンツだとかなんだとか・・

子供のできなかった私を責めました。

そして外に愛人をつくり、
　
私を抱かなくなりました・・

辛かった・・

とても辛かった・・

３０そこそこの体はまだまだ男の肌が恋しくて仕方ありませんでした。

私はいっそ離婚してくれた方がいいと、主人にお願いしました。

だけど世間体を気にする彼は、だめだといって・・

私を飼い殺しにしたようなものです・・

気が狂いそうでした・・

主人の布団にもぐりこんで

泣きながらお願いしたことだってあります。

でも彼は私を抱きませんでした・・

４０を超えた頃、私も諦めがつき

誘われるままに酒場をうろつき憂さを晴らすようになりました。

友人がどうしても行きたいというホストクラブに行った時に・・

恥ずかしながら夢中になってしまいました。

お金もそこそこありましたし・・

若いホストに一度抱かれたら・・

もう止められなくなってしまいました。

私は心ものめり込みそうになりましたが、

彼らは金払いのいいお客様、としか思っていません。

そうはわかっていてもやめられない・・

そこでしか体を癒すことはできなかったのですから・・

でも、だんだんとお金で体を買う、ということが

虚しくなってきました。

店の客と店員、といってもこれでは

風俗と同じです。

そこまで成り下がってしまった自分のみじめさに気がついた時、

止めました。

それからは・・

主人と離れられる日を

心待ちにして生きてきました。

そう、彼が

死んでしまう事を・・