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BAR・エロス
第18章 私の中・・


今の仕事を辞めなければ、ということ。
それは
修と離ればなれになるということ・・

修になんて言おう・・

修はなんて言うだろう・・

もしも私の期待通りに
辞めないでとすがってくれたら・・
気持ちは動いてしまうのだろうか?
いやいや・・
私自身が引き留めてほしいと願っているのだろうか?

それは仕事に対する気持ちじゃなくて、
修に対する気持ち。
彼の想いの大きさを確認したいと思っているだけのはなしだ。

それなら紫苑は・・?
彼が私に対して、ということよりも
私が紫苑をどう思っているのか。

今夜のあの言動を、特別な気持ちの証しととってもいいだろう。
でもその想いに
私は答えられるのだろうか・・
彼と一緒に働き始めれば
きっと心に変化は生じる。
やっぱり・・
どちらかを
選ばなきゃならないの・・?


ちょっと待て、と手にしていた
ワイングラスをテーブルに置く。
これは転職、なのに
なんでここまで考えてしまうのだろう。
まずはママという仕事をやるかやらないか、
そこから考えなければいけないのに。

自分で自分をあきれ返るという技は慣れたもの。
なにをするにもいつでもこうである私・・


一気にグラスをカラにする。
再び注がれた赤い液体を見つめながら、一人笑う。

これは誰のためでもない、
私自身の問題なのよ・・
他人に遠慮なんかすることない。
自分の思うとおりに進めばいいのよ・・

お人よしの私がいつも最後につぶやく言葉だ。

まとまりのつかない自問自答は
さらにグラスをカラにする。
おかげで3杯も飲んでしまった。
徐々に眠気が襲ってくる。

時計の針はまだ11時をまわったばかり。
紫苑が帰ってくるまで
この瞼は開いてないかも・・・
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