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BAR・エロス
第18章 私の中・・
「ほら、こんなとこで寝たら風邪ひくよ」


その声に驚いて飛び起きた。
いつのまにか傍らに紫苑が座っている。


「え?どうやって入ったの?」


彼の家だっていうのに
なんて失礼な言い様なのだろう。

紫苑は私を抱き上げベッドへと運ぶ。


「ちゃんとスペアキー持ってるよ。
 こんなことにならないとも限らないからね。
 案の定だったけど」


高い声で笑いながら紫苑は服を脱いでいく。

シャツもスラックスも床に放り投げ
下着1枚で私に覆いかぶさってくる。

寝起き同然の私は鈍い動きしかできず、
彼に動かされるままに体をいじり回された。

うつらうつらし始めた時の
あの気持ちよさに頭がポーッとしてきた。
だが紫苑は、
そんな私の様子をうかがって必ず途中で止めるはずだ。
前回と同じように。

私は先手を打った。


「どうせ途中でやめるんでしょう?
 シャワー、いってらっしゃい」


バスルームを手で指し示す私から体を離すと
のらりくらりとバスルームへ向かっていった。



その間に私はベッドから起きだし、
ソファに座って紫苑を待った。
きちんと、姿勢を正して相対したかったからだ。


シャワーを終えた紫苑は、
私がベッドではなくソファで待っていたことに
少なからず不満を抱いているような顔つきで私を見る。


「話の続きをゆっくりしたくて
 私を呼んだんでしょ?さ、座って」


「・・わかった」


返事をしてから
戸棚のスコッチの瓶と
ロックグラスを2つ取り出してきて私の隣に座った。

手渡されたグラスの中で
陽炎のようにゆらめく琥珀の液体を見つめたまま
私は口を開いた。

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