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BAR・エロス
第19章 修の中・・
下を向いていたので修の表情を窺うことはできなかったが
数秒してからテーブルにグラスを置く音は聞こえた。


「どうして・・なんで?
 なんで辞めるの?
 仕事で何かあったの?」


まだ顔をあげられずにいた。
立て続けに修がしゃべりだす。


「もう・・梓さんと一緒に働けないの?
 それよりも・・
 離ればなれになっちゃうの?
 ねぇ、なんで辞めるの?
 辞めてどうするつもり?」


ようやく顔をあげて
ゆっくりと修と面と向かう。
彼のわなわなとふるえる唇を見たら、
やっぱり涙が幕をつくった。
だがここで泣き出したらもう止まらなくなる。
話せなくなってしまう。

私は天井を見上げ、
涙が流れださないように目の奥に戻そうと必死になった。


「どこから話せばいいかな・・」


私はまず、
BAR・エロスとの出会いから話すことにした。


修と行ったあのオープンしたての店で
隣り合ったあの女たちが話していた、
セックスの相手を探せるバーのこと。
そのバーを探し出して通いはじめた事。
そこで3人ほど相手をしたこと。そして・・


「その店のバーテンさんがね、
 ママとして働かないかって。
 なんだか私を気に入ったみたいで。
 そこのママさんとも会ったの。私と似た境遇で驚いた・・
 ママさんも私を気に入ってくれてね。
 考えてくれないかって・・」


エロスでの出来事をわりと細かく話したが、
さすがに紫苑から受けた
面接の話はできなかった。


さっきまでは唇を震わせていた修だが、
今は震えるどころか身動き一つできないほど、
固まったまま目と口を開いていた。


「そりゃ驚くわよね・・こんな話・・」


うんうん、と何度か頷くのが精いっぱいみたいだ。
グラスに残っていたシャンパンを
水のように飲み干したところで、修の声が戻った。


「そんな店、ホントにあるんだ。
 もしかしていつか地図見て探してた・・その店?
 でもさ、いやよく見つけたね」


まくしたてるようにしゃべりきってから
シャンパンを注ぎ、一気にあおる。
彼の鼻息がどんどん荒くなってきた。
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