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BAR・エロス
第19章 修の中・・

今夜の彼の発言には
どれも100点満点をつけられる。
甘えんぼの年下男は
たくましさとおおらかさで
私をすっぽり包み込む。

私は、こうなったらなにもかもさらけ出して
彼に甘えようと
心の底から思えた。


「だったら・・
 正直ついでに話してもいい?」


「・・いいよ、ちゃんと聞くよ」


「今・・好きな人は
 2人いる。
 修と、それからそこのバーテンさん。
 彼・・私を好きだと言ってくれた・・
 でもその時に言ったの。
 私には大切なセックスパートナーがいるって。
 その男を今はまだ失いたくない、離れられない・・
 それでもいいかって、
 その彼にはっきり言ったわ」


あの夜の紫苑のように、壁を見つめた。


「そしたらなんだって?」


「自分が後から割り込んだんだから仕方ないって。
 好きだってことと
 自分のモノにするってことは別だって・・」


こうしてこの言葉を繰り返してみると、
どれだけありがたい気持ちなのだろうと思う。

そんな紫苑と、そして修。
この二人の気持ちを同時に、どちらも受け入れようというのは
贅沢な事だろうけど、
許されない事だろうか・・?


「そう・・いい人だね。
 その人・・独身?」


「・・そうよ・・」


その短い質問に詰まった彼の感情が
心にしみた。
独身、という言葉に反応していたが、
それに対して何かをいう事はなかった。


「先のことはわからない。
 だからあえて考えない・・今、私が
 強く望んでいることは・・
 修もその人も
 両方手にしていたいってこと。
 そしてバーのママをやってみようって・・」


修の瞳をのぞいてみた。
すがるような気持ちでうかがった。
どうか肯定して・・


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