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BAR・エロス
第20章 きっと守が・・
「ストレートに聞くね。
しかしキミの話は
おもしろいというかなんというか・・」
呆れているのか楽しんでいるのか、
よくはわからなかった。
それでも私は黙って答えを待った。
竹内はグラスでくるくると円を描きながら、
「それは相手との関係によるよ。
妻や恋人なら当然NOだけど・・
一人の女っていうのは
梓のことでしょう?」
そう言ってブランデーをふくんだ。
その口元を見つめながら頷く。
「構わないよ、僕は。
そもそも・・エロスでキミと出会った時点で了承済み、
そう思わなきゃいけないんじゃないのかな、僕もキミも。
だって、セックスの相手を探すバーで
見つけた相手だよ。
嫌だなんていうのなら
あの店の客には不向きだ。
そう思わないかい?」
彼の言うとおりだ。
私の質問は愚問だった。
聞いたことが恥ずかしくさえ思えた。
「バカなこと、聞いちゃったわね・・」
「そうだよ。だって嫌なら
こうして誘ったりするわけないでしょう?」
私の腿に置いた手を
ゆっくりと中心に向かって滑らせていく。
こんな気品のあふれる店の、
豪華なソファの上でやるような事じゃない。
それでも彼の手を
そのまま遊ばせておいた。
「ほんとはね、聞きたいっていうよりも
聞いてもらいたい事があるの」
これから一戦交える男に、
別の男の話をしだした。
修のこと、
紫苑のこと、そして
エロスのママになるかもしれない、という事も・・
グラスを揺らしながら、
腿の上にある手をゆっくりと動かしながら、
竹内は最後まで黙って聞いていた。
「僕の意見は・・もっと静かなところで」
大きな掌が腿の肉をぎゅっとつまむ。
無言のまま大きく頷いた私は
グラスに残るバーボンを啜るように喉に流し込む。
それを見ていた竹内も真似をした。
私の腿をポンポンと叩くと
ゆっくりと立ち上がった竹内は手を差し出した。
私はお姫様になった気分で
その手を取って立ち上がった。