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BAR・エロス
第23章 15回目の夜・・

ねじった首がつりそうになった。
いったん体勢を戻してから修と面と向かう。
「ホント?やったじゃない!おめでとう!」
思った通り
修は正社員に昇格した。
ただ入社1年というのは
かなりのスピード昇格であろう。
周りでもせいぜい2年という人しかみていない。
私は自分のことのように嬉しかった。
「ありがとう。
オレもこんなに早く正社員になれるとは思ってなかったからさ、
ちょっとびっくりしてんだ。
でもこれでカミさんを安心させられる。
報告したらさっそく
子づくり宣言されちゃった」
夫の経済的な安定は
妻にとっては一番の望み。
一応妻の立場を経験した私には
その気持ちはよくわかる。
子供だって・・
「そう、頑張りなさいよ!
奥さんは若くても
修もそろそろいい歳なんだから。
早くパパにならないとね」
自分が成し遂げられなかったことを、
ぜひ修夫婦にはしてほしい。
ここにまたひとつ、
希望の種を見つけることができた。
「うん。だからさ、
社員になったら口利きしてあげられるし、
経験があるんだから歳いってても
再度契約してもらえるだろうからさ」
歳いっててもっていうのはよけいよ!と
彼のほっぺたをつねりながら、
それでもありがとうと素直に気持ちを受け入れた。
やはり・・
運命というのは
動き出すとその波が
回りにも飛び火するようになっているのかもしれない。
私の人生が大きく変化するその横で、
修もまた
変化の時を迎えている。
もしかしたら
流れていきつく先が
見え始めたのかもしれない・・

