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BAR・エロス
第4章 10回目の夜・・
絡み合う舌から流れ出る唾液が喉を濡らす。
修の指がかき混ぜた泉からあふれでた蜜は
彼の指先を濡らす。
その指が奏でる官能のメロディは、
私の中から我慢という音を消した。
修が受け入れろとばかりに私の足をひろげるとすぐ、
私の中に突き進んできた。
その振動にたまらず背中が反り返る。
今度は後ろから抱え込まれた。
再び入り込んできた修が
核心に指も滑り込ませてくる。
突き上げる快感と、撫で上げられる快感が次第に速度を上げ
境界線を越えると私がまず声をあげ、
続けて修が声をもらした。
波打つ快感を受け止めた体の、
けだるさがたまらない。
濃厚な蜂蜜を舐めた時みたい。
セックスの後の体はいつもこうだ。
寝返るだけであの動きがよみがえる・・
今夜の修の激しさは、
いつになく私を喜ばせた。
「すごかった・・
あんまりすごいから声・・大きくなっちゃった・・」
少し細身で頼りなげでもある彼の胸に頬をこすり付けながら
荒く繰り返された呼吸を整えた。
「なんか今日はいつもと違う・・なんで?」
訳を知りたい、というよりは褒めたつもりでいたのだが、
私のその何気ない一言に
修は勢いよく上半身を起した。
「ヒドイ!梓さん、わかってないんだ!」
そう言うとくるっと背中を向けてベッドに横たわり、
私の呼びかけに応じてくれない。
・・なに?今夜・・なんかあったっけ?・・
その肩に手をかけて体を揺すっても、
拗ねた子供の様にその手に逆らっている。
なんなんだ?とにかく、彼の機嫌を取り戻さなきゃ・・
修の肩甲骨に頬を寄せて甘えてみるが、
なかなかこちらを向いてくれない。
「おねがい、教えて。ね、謝るから、ね?」
気持ち悪いくらいの猫なで声に、
やっと口を開いてくれた。
「今夜は・・10回目の夜、だよ!
2人の体が愛し合うようになって10回目っていう
記念になる夜なんだよ、数えてなかったの?」