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BAR・エロス
第7章 1人目・・
「・・ここではプライベートな事は
知る必要はないのよ・・
僕も初めての相手にぴしゃりと言われましたよ。
今のあなたみたいに照れ隠しでいろいろ聞いてしまってね」
少し顔をあげ、男はその時を振り返っているようだった。
「名前とか仕事とか、
結婚してるかとか、
知ってしまったら続きが欲しくなる・・」
「どういう事ですか?」
答えを待って、彼の横顔を見続けた。
「ここは・・
セックスの相手を探すところでしょう?
一夜限り・・それでいいと思ってやってくる。
知っていくと面倒な事もあるじゃないですか。
そう思いませんか?」
彼の言うとおりだ。
恋人を探したいというのなら
その人物の情報があれこれ欲しくなるだろうが
一度限りかもしれない相手のことを、
必要以上に知ることはないんだ。
へんに情がわいたりしたら、
このバーの本来の目的である
セックスの相手を探す、ということではなくなってしまうではないか。
「あなたのおっしゃること、わかる気がするわ。
じゃあ・・その初めての彼女とは
どんなお話をなさったの?」
「単純に・・タイプかどうか、とか。
それくらいは聞きましたね。彼女も答えた」
肩をすくめて首をかしげる姿が、
とっても様になっている男・・
私は気に入った。この男を。
「そういう質問ならいいのね。
じゃあ私はそんなつまらない質問じゃないのにするわ。
あなたの・・セックスに対するこだわりとかってどういうの?
どんなふうに楽しむの?」
男の眼から視線をそらさず、交渉を進めた。
私のこの問いかけに、彼は驚きの表情を浮かべて、
でもうれしそうにこう言った。