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BAR・エロス
第7章 1人目・・
最近よく耳にする。
たまに会う同世代の女友達の夜の愚痴。
酒が入って口が軽くなったりすると、
誰か一人は必ず言い出す。
ウザったいのよねぇ、夜のオツトメ・・
40を超え、50を迎える頃には
更年期に突入しているヤツも結構いる。
体の不調に悩まされている時に、たとえ夫であっても
触れられることが不快でしょうがない、と
中年女の言い分を一方的に叩きつける。
もちろん私も同じように辛い時もあるが、
彼女たちと違って
いつもそばに男がいるわけではない。
触れてほしい時に誰もいない寂しさを我慢する方が
私にとっては更年期以上に辛い・・
いつでも手の届くところにいるから
そんな贅沢な愚痴が出るんだ。
私にはそう思える。
男の女房も彼女たちとおんなじってわけか。
ならばエロスで相手を探すのも、
正当な理由かもしれない、と彼に同情した。
「女は中年になるといろいろ体の変化があって
必要以上にイライラしてしまうのよ。
でもそれって、女の言い分だものね。
男にだって言い分があるのは当然よ」
男の肩を持つわけではないけれど、
彼の言っていることをおかしいだとかずるいだとかは思えない。
だから彼の意見に頷いた。
「女の立場からすれば、あなたの行動は
裏切り行為というべきなのかもしれないけど、
夫婦になった以上は自分の要望ばかり
押し付けるのはずるいわよね。
私はあなたを非難はしないわ。だって、
セックスはよそでしてもちゃんと奥さまのところへ帰るんでしょ」
私の夫は帰ってこなかったけど・・
思い出す必要のない事をなんで思い出したのだろう。
まだまだ、過去を捨て気持ちを割り切るということが
身につけられていないのかな・・
「ちょっとしゃべりすぎてしまったわね。
口よりも体を動かしましょうよ。
もう一度・・いける?」
男の額にかかる前髪をいじりながら、
2度目の催促をした。