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BAR・エロス
第8章 2人目・・
体勢を整えた頃あのバーテンが
私の目の前にやってきた。
その美しい顔立ちが、
今夜も私のハートをギュッとつかんだ。
「覚えていてくれたの?なんかすごく・・
うれしいわ。
また必ず・・来ようと思ってた」
出会いだけじゃない。
バーテンさん、あなたにも会いたかったから・・
そう言いたかったけど、やっぱり面と向かうと恥ずかしい。
下を向いてにやけ顔を隠した。
「うちの店、気に入ってもらえたようですね」
確認するような彼の表情に
もう堅苦しさはない。
この前見送ってくれた時と同じ、
どちらかというと愛嬌のある眼差しで
私の高評価を期待しているように見える。
「ええ、とても。
・・聞いてもいいかしら?」
「なんでしょう?」
少し首をかしげるその仕草、
思わず手を伸ばしたくなるほど色気がある・・
「この前、あの彼と私を・・
あなたがマッチングさせたの?」
バーテンは意味ありげに笑っただけだった。
でも私にはそれが答えのように思えた。
・・やっぱりそうなのね、この人が・・
なんとなくでもそうわかったから、
これ以上は聞くこともあるまい。
噂通り、ちゃんとパートナーを見つけられたのだから、
それでいいじゃないか・・
「さて、ご納得いただけたようなら・・
お飲み物はなにになさいますか?
フォアロゼ、ロックですか?」
このバーテン、一度しか来ていない客の飲んだ酒を
ちゃんと覚えている。
つくづくすごいと思った。
「ええ、フォアロゼ、ロックでお願い」
かしこまりました、と彼が酒を取りに行っている間に
先客たちを斜めに見ながら観察してみた。