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BAR・エロス
第8章 2人目・・


今度はしっかりとグラスを握った。

バーボンが喉を通ると体中に熱が伝わっていく。
酒の勢いを借りて思い切って切り出した。

今夜は彼と話してみたい。
交渉相手も見つけたいけど、
まずはこのバーテンのことを少しでもいいから
知りたいと思った。


「ええ、構わないですよ。
 もし途中で交渉相手を見つけたらおっしゃってください。
 それまでお相手いたしましょう」


案外あっさりと承諾してくれた。


「じゃあ・・バーテンさんってお呼びするのも
 なんだかさみしいから・・
 お名前聞いてもいいかしら?」


どうせ本名なんか教えるはずはない。
ただ、バーテンさん、と呼ぶよりは
なにか名前で呼べたらいいなと
ダメもとで聞いてみた。


「紫苑、とお呼びください」


「シオン、さんね。
 ふさわしいお名前ね」


紫苑・・
いわゆる源氏名みたいなものだろうが、
このバーテンの顔立ちからなにから
ピッタリとあてはまる気がする名前だと思った。


「紫苑さんは・・
 何か特殊な能力でも持っているの?」


「は?」


彼の驚いた顔は素に近いのか、
今まで見せた表情の中で一番自然で
親しみを感じられる。
一瞬止まっていた彼の動きが
小さな笑い声とともに戻ってきた。


「あなた・・
 ほんとうにおもしろい女性ですね。
 普通だったら名前の次は歳、恋人の有無、
 私のことどう思う?なんて
 つまらない質問ばかり。
 でもあなたは全く視点が違うようですね。
 初めてお見えになった時もそうでしたけど、
 割り勘にしようなんて交渉している女性は
 初めて見ましたよ」


カウンターに肘をついて
リラックスしている紫苑の姿がまた様になる。
もうすっかり、私を受け入れてくれているのが
その態度や口調から感じ取れた。

しかし・・
そんなに面白い女だろうか、私・・
別に深く考えて発言しているわけではない。
これを聞いてみたい。こう主張したい。
ただそれだけなのだが・・
そんな私を珍しがるなんて、
それだけ世の中の女たちが
つまらない頭の持ち主ばかりなのだろうと、
ちょっと世間をあざ笑いたい気持ちになった。



 
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