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BAR・エロス
第8章 2人目・・
「特に面白い人間でもないわよ、私。
 でもそれも褒め言葉のひとつと受け取っておくわ。
 ところで質問の答えは?」


カランカラン・・
グラスの氷の音で催促した。

それにこたえるように、紫苑は私のまねをする。


「特に持ってないですよ、特殊な能力なんて」


「そうかしら、ううん、もってるわよ。
 今だって・・」


数分前、私が紫苑に対して抱いた感情を、
見抜いていたみたいだけど・・


「いまって・・僕のことを
 欲しがっているのがわかったって、それのこと?」


やっぱりわかってるんじゃない!

口が大きく開いて、スツールごと後ろにひっくり返りそうになった。


「ほら、危ないよ、気をつけて」


この男にはどんなことをしても勝てない。
そんな気がしてきた。


「だって、あんなにあからさまに
 ギラついた目で見られたら誰だって
 わかるでしょ。
 あ、僕とやりたがってるなって」


言われて反省することにした。
思った通り、
私の顔がイケなかった。
物欲しそうな眼がイケなかった。
私の方から答えを教えていたのかと思うと
情けないやら恥ずかしいやら。
そろそろポーカーフェイスというやつを
身につけなければいけない年頃かもしれない。


「・・これからは気を付けます・・
 あんまりみっともない事しないように。
 ぜんぜん、大人の女のムードがないのね、私って」


大きくため息をついてから、
バーボンをゆっくりと流し込む。
ほろ苦く感じる、フォアロゼ・・


「気を付ける必要なんてないでしょう?
 それがあなたの個性なんだから」


個性・・その言葉にハッとして顔をあげた。

・・個性ねぇ・・
久しぶりに聞いた気がする。
この歳になるとそんなものよりも、
周りに同調しながらうまく生きることの方が
多くなってしまったし、
逆に個性を押し殺して
当たり障りないようにふるまうことを良しとしてきた。
紫苑の言葉が長い間閉まっていた窓を
開けてくれたような気がする。






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