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BAR・エロス
第10章 3人目・・
「それにしても・・
 綺麗な方なのね、ママさんて」


あんなふうに歳をとれたらいいな、と
うらやましさをにじませながら、
紫苑からもっと彼女の情報を引き出そうと試みた。


「ママさんはおいくつなのかしら?」


「本人に直接聞いたらどうです?」


ニヤッとした彼の口からは
もう何も出てこないことをなんとなく察して、
私はあきらめたように口をつぐんで
フォアロゼをのどに流し込む。


「この店はね・・」


紫苑もフォアロゼを飲みながら話し出した。


「この店がオープンしたのは5年前。
 その頃は会員制だったんです。
 でもそれだと人間関係煮詰まっちゃうっていうか・・
 で、1年前からフリーにしたんですよ」


なるほど・・とひとつ疑問が解決した。

だからこれほどまでに
世の中に知られていなかったのか。
会員たちに口止めすれば、外に広がる確率は
かなり低い。
フリーになってもまだ1年。
それこそ会員だったメンバーたちも
いまだに出入りしているだろうし。

それになんといってもここの客は、
真の大人ばかり・・


それでも今のこの世の中では、
インターネットの波に乗って
勝手に情報が流れて広がっても
おかしくはないだろうに。


「じゃあもしかして、他言無用、なんていう
 決まりがあるわけ?」


「別に決まりはないですよ。ただ・・」


「ただ、なんです?」


「あなたにとってこの店の存在の意味を
 考えてみてください、とはお客様に問いかけてますよ。
 みなさんにとって大切な存在だから、
 やたらに話さないんじゃないかな」


その答えに何度も何度もうなずいた。

自分にとっての大切な店・・
この店の客1人1人がみなそう思えば、
情報が一人歩きすることもない。
ちょっと特殊な目的を果たすための店なのだから、
やたら誰にでも来てほしくはない。
真面目な気持ちで
セックスの相手を探したいとやってくる者だけを
受け入れたいとの店の意向もあるだろう。


私は完璧なまでに納得させられた。


「お話を聞いて・・
 この店の存在価値の高さをあらためて
 思い知らされた気分よ・・」


「ありがとうございます。
 これからもますますごひいきのほど、
 よろしくお願いします」





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