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BAR・エロス
第11章 面接・・
私の隣でグラスを傾ける紫苑との距離が
いつになく近いな・・
これなら肩にもたれかかれるかも・・
ためしに頭を傾けると、
うまい具合に彼の肩にフィットした。

頭をかしげたことで
酔いが大きく渦巻く。

・・気持ちいい・・

深呼吸のような長い息を吐いた瞬間、
私の体がガクッと傾いた。

バランスを崩してスツールから落ちるのか?

いや違う。
紫苑が・・
私の体を抱き上げたのだ。

大きく音をたててスツールが倒れた。

・・え?なに?どうしたの?・・

まったく予想していなかった展開は嬉しいのだが、
この状況では手放しでは喜べない。


「ちょっと・・紫苑さん!なに?」


ろれつがうまく回らない私の言葉を無視するように
黙ってこの体を抱えてあのソファ席へと向かっていく。

わざとらしいとは思ったが
少し手足をバタつかせて抵抗の色をにじませてみる。
待ってましたとばかりに迎え入れるのも
ガツガツしていて恥ずかしい。
それに素直に喜べないのは店の中、ということ。

初めてこの店に来た時には
そんな妄想もしてみたけれど、いざ本当に、となったら
やっぱり躊躇する。
いつ客が入ってくるかわからないではないか。
こんな姿を他人に見られるのはさすがに嫌だ・・

あれ・・?

もしかして・・

さっきなにか音がする、と思ったのは気のせいじゃなく
彼がドアをロックした音だったのではないだろうか?
はじめから
こうすることを決めていたんじゃないだろうか・・


じたばたする私を一番大きなソファに横たえると
まずは下半身に手をかける。


「ねぇ、ちょっと待って・・いきなり?」


拒むふりをするだけで、
彼のやることをそのまま受け入れてはいるが、
なぜ今、なのか?
どうしてこんなに慌ただしい展開になったのか
聞きたくなるのは自然だと思うのだが、
気に留めることなく紫苑は無言で私を辱しめる。

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