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知らなくってもいい性
第24章 ただいま

「う~ん...」

あれっ?なんか眩しい。
朝か。
いつの間に寝ちまったんだろ?

気がつくとリビングのソファーに仰向けに寝ていた。
昨日は酒を飲んで、テレビもつけたままそのまま寝てしまったらしい。

しまった...飲み過ぎた...
軽く頭痛もして、気持ちも悪い。

ふいに壁の時計を見ると、
11時?いや、もうすぐ12時になろうとしている。

しまった!!
今日はせっかくの休みだから、朝からマキを探そうと思ってたのにっ!?
まずは実家に電話して、その後警察行って...

よたつく足で洗面所に向かい、バシャバシャと顔を洗う。
まだ気持ち悪さは残りつつもタオルで顔を拭きながら、洗濯もしなきゃな。等と考えていると

ガチャガチャ

微かに玄関の鍵を回す音がする。

まさか...

服装はそのままでグシャグシャのシャツにシワのついたズボン。

恥ずかしいが、鍵穴をガチャガチャ言わせて入ってくるのなんて泥棒かマキぐらいだ!

急いで玄関に向かった。

ガチャ

様子を伺うかのようにこっそり入ってきたのはやっぱり

マキだった。

「あっ...マサヒト...
あの...た、ただいま。」

マキは少し困ったように玄関に固まってしまった。

そのまま、しばし俺も固まる。

まだマキに会う心の準備が万全じゃなかった。

何を言おう。とりあえずごめん。なのか?

でも、とりあえず一番にしたかったことがあった。

玄関で立ち尽くしているマキをそっと引き寄せて、ただ抱き締めた。



終わり
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