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知らなくってもいい性
第1章 なぜ彼がここに?
「久々!」
次の瞬間、
彼は助手席に座っていた!?
驚きよりも気味の悪さが先にくる。
「...」
「...」
「ひょっとして君死んだ?」
しばし、無言の後やっと出てきた言葉はそれだった。
「クスッ...」
その笑い方も懐かしい。
「第一声がそれかぁ。
やっぱ、マキさん面白いよね。
...会いたかった。
本当に会いたかった。そして、やっと会えた。俺、やっぱマキさんがいい。」
そういうと、ただ真っ直ぐにこちらを見つめてくる。
彼の眼差しは
彼を好きだった当時を思い出して胸が熱くなる。
結局、幽霊なのかどうなのかなんて、そんなことどうでもよくなってしまう。
見つめられると...何も言えなくなる。
「詳しい話は後でするからさ、とりあえず一緒にきてよ。」
「えっ...?」
「でも、我慢できないからとりあえず...」
そう言いながら彼の顔が近づく。
何考えてるんだ???
ここスーパーの駐車場なんだけどっ!!
近所の人に見られたらどうしよう??
思わず回りを見渡した。
けれど...
あれっ?視界がおかしい。
景色が歪む...
意識が遠くなると同時に彼に抱き締められる感覚がした。
駄目だ。
突き放さないと...
私は
もう結婚したんだから...
彼を選ぶことはなかったのだから。
そんなことを思いながら意識は途絶えていった。