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知らなくってもいい性
第2章 要するに誘拐か
目が覚めて、見えてきたのはどこか知らない天井だった。

目が覚めたといってもまだぼんやりする。
ひょっとしたら、夢だったんじゃないだろうか?

今、夫婦生活がぎくしゃくしちゃってるから、

だから...

昔の浮気相手の夢を見たんじゃないだろうか。


「起きた?びっくりさせてごめん。大丈夫?」

「!!!...」
彼が耳元で囁いた。

...いえ、どちらかといえばあなたが今、隣で添い寝していることにびっくりしてますっ!!

...でも、びっくりしてはいるもののひょっとしたらまだ夢かもしれないという思いと体の怠さですぐには起き上がれず、状況を把握するのに時間がかかった。

「ごめん。慣れてないと体がついてかないみたいで。どうも気絶させちゃうみたい。」

...もっと分かるように説明してもらいたい。

私の髪を撫でながら彼は続ける。

「俺、マキさんに会いたくて会いたくて、そしたらさ、叶ったんだよ。
俺は...力を手にいれた。」
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