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知らなくってもいい性
第16章 逃げられない
バッと扉を開くと、そんな私の思いは一瞬で砕けた。

そこにはもうカズキはおらず、
ボスとマッチョとシューヤがいた。

「おせーな。どんだけなげークソしてんだよ。」

「カズキは昨日夜勤だったから休んでるよ。今日はそっちね。」

三人はさすがに無理だ。
駄目だ...逃げられない。

逃げようとして、もっとひどい目に合うなら、

きっとこのままの方がいい...


私は大人しくマッチョの指示に従い。指差す方に歩いた。

「へぇ~、ずいぶん従順になったもんだね。さすがにもう懲りた?」

ボスにそんなふうに言われても何も返す気にならなかった。

「シューヤ、昨日どうだった?」

「うん。なかなか良かったよ。
俺の能力の実力も分かったし♪」

「じゃあ、今日は俺のも試させてもらおうかな?
暴れると危ないからちゃん繋いどかないとね。」

マッチョは上からいくつかの鎖が垂れているところに私を連れていった。

「カズキが怪我のこと気にしてたから。」

鎖に布製の幅の長いバンドを4つそれぞれ設置すると、鎖の長さを調整しながら、両手、両足をそれぞれバンドに巻いてしっかり固定した。

抵抗してたら、直接鎖に繋がれて怪我がひどくなったかもしれない。

抵抗しない方がきっと幸せなんだ...


その後、手の鎖が上げられ、軽く万歳をするような形になった。

「さてと、じゃ、始めようか。
暴れたりすると危ないから、深く考えず気楽にね。」

私はとくに何も答えなかった。

マッチョは軽くしゃがむとすっと手を動かした。

なんだろ?

次の瞬間、急に手がピンと伸びて、手で体重を支えるような感覚がした。
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