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LEMON DEPENDENCE
第2章 後輩が出来ました。
「…あなたの名前は?」



怒りの感情を押し殺したような声で、檸檬は俺に聞いてきた。


正直俺は自分の名前が嫌いだ。

いつもからかわれる…

似合わないって。

俺だってそう思うし…



「矢野…陽生」

「妖精?」



首をかしげる檸檬。

こいつ絶対あのメルヘンチックなアレと勘違いしてやがる!!



「ふぇ、フェアリーなアレじゃねーからな!!」



誤解は早く消すに限る。

すると、檸檬は少し慌てたような表情を浮かべ弁明した。



「べ、別にそんなムキにならなくても」



ムキにもなるさ…

だって俺、出来た人間じゃねーし。


しばらく無言で俺たちは掃除用具を片した。

気まずい沈黙を破るように檸檬が話し出す。



「矢野くん、これすんだら昼まで品出しするから手伝ってください」

「……」



なんでだろう…

なんか全然嫌な感じに聞こえない。


そうか…わかった。


「しろ!」じゃなくて「ください」だからだ。


少なくとも檸檬は、上から目線ではなく同じ目の高さで話してくれてるんだ…

こんな奴もいるんだな。
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