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LEMON DEPENDENCE
第3章 仲良くなりました。
「……わかりました。余計な事言った私が悪かったです」

「……」



あーあ…私も大人げないな。

大人な女性なら、きっといちいちカッカせずに流しちゃうんだろうな。



「…あんたが謝ることなんて、ないだろ」

「へ?」

「だから!何でなんも悪くねーのに、あんたが謝んだよ!!マジイラつく…さっきの俺とホルスタイン女の時も!!」

「……」



そんなこと思ってたんだ…

てか、ホルスタイン女って…

自然と笑いが込み上げてきた。



「な、何笑ってやがる!!」

「あ…ごめんなさい。なんだかよくわからないけど、おかしくて」

「は?」

「矢野くんの主張は尤もだと思う。でも、正論が必ずしも最善の選択とは限らないと思います」

「意味わかんねぇ」

「確かにあの時私は悪くはなかったかもしれないけど、あの場で矢野くんと狭間さんが延々と言い争えば時間と労力が無駄になったと思うし…お店にも少なからず損益を出してたと思う。それなら私が謝って丸く収めるのが一番いい選択だと判断しました。」

「……本当にそれでよかったのかよ」

「はい。私が謝るだけで事がうまく進んでいくなら、それが一番です」

「…あんた損な役回りだな」

「ある程度は自覚してます」

「……」



矢野くんは俯いたまま、何か考え事をしているようだった。

何を考えてるかなんて、そんなことはわからないけど…


―――自分で自分を恥じているような顔をしていた。



「さ、矢野くん。さっさと終わらせて帰りましょう」

「…わるかった」

「え…」

「い、一度しか言わねー…あんたには、悪い事した」



―――ごめん。


蚊の鳴くような声だったけど、矢野くんは確かに詫びてくれた。


なんだか物凄く…可愛い。


え?何この生き物?

さっきまであんなに子憎たらしかったのに!!
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