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LEMON DEPENDENCE
第3章 仲良くなりました。
「…檸檬はなんであの店でバイトしてんだ?」

「生きていくためですよ」

「生きていく?」

「そう。ハタチこえたら、払うものが結構ありますので」

「ふーん…」



矢野くんはあまり関心なさそうに返事をすると、チーズハンバーグを一口食べた。

まあ、未成年の矢野くんには保険とか年金とか身近な問題じゃないしね…



「そういう矢野くんはどうしてバイトを?」

「…わかんねぇ」

「…はい?」

「…初めはあんま乗り気じゃなかった。でも」

「でも?」

「俺だって俺だって自分の力で出来ることがあるって、証明して…見返してやりたい奴らがいるんだ。あ、…なにペラペラ話してんだ、俺…」



照れ隠しのように、矢野くんは定食をかっ食らった。

途中でご飯を詰まらせ、むせていたが…。



「…見返してやればいいですよ」

「は?」

「矢野くんさえやる気があれば大丈夫だと思いますよ。お店の皆だって、やる気のある人や頑張ってる人には優しいですし」

「…俺でも続けられると思うか?」

「出来る出来ないを考える前に、まずは続けてください。逃げることは簡単ですが、一度逃げるとくせになります。一生逃げ続ける人生を送りたくないなら、やれるだけやってください。応援してます」

「…わかった」

「まずは明日、狭間さんと仲直りする事から始めてみてはどうでしょう?」

「……検討する」



なんだ…

案外素直な子だ。
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