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LEMON DEPENDENCE
第6章 矢野くんの主張!
でも…きっとそれもただの同情に過ぎない。
哀れな幼馴染を励ましてやるか…くらいの。
―――私はみじめだった。
優しくされるほどどんどん惨めになって、斎藤くんを突き放すようになった。
その方が斎藤くんの為にもなると思った。
私なんかに構う時間があるなら、
自分の人生を精一杯生きてほしかった。
嘘偽りの暴言はいつしか斎藤くんに対し、条件反射のごとく出るようになった。
私は斎藤くんが嫌い…
嫌い…嫌い…
自己暗示を何度もかけた。
そう、私は斎藤くんが…
―――大嫌い!!
「…せっかく忘れかけてたのに」
なんで来たの?
なんで私の前に現れたの?
わからない…
「…檸檬」
「…矢野くん」
声がした。
深く温かみのある…矢野くんだった。
「探した」
「な、なんで?」
矢野くんは少し息が上がっていた。
この炎天下の中、走り回ったのは明白…
なんで私なんかを探すの?
バイトの先輩だからって、そんな一生懸命探すことないのに。
「理由がないと探しちゃいけねーのか?」
「………」
ますますわけがわからない。
「檸檬…その、どっか行かね?」
「……」
「…わ、悪りぃ。用事あんだっけ?」
「…行く」
「え?」
「今日は帰らないって連絡したので…どこに行きたいですか?」
矢野くんの気遣いが嬉しかった。
私に気晴らしさせようと思って提案してくれたのだろう…
それに何より、
さっきの事を詮索しないでくれるのが嬉しかった。
「…カラオケでも行くか?」
「はい」
…しまった!!
なんか嬉しかったから、反射的にイエスしちゃったけど…
―――私、アニソンしか歌のレパートリーがなかった!!
哀れな幼馴染を励ましてやるか…くらいの。
―――私はみじめだった。
優しくされるほどどんどん惨めになって、斎藤くんを突き放すようになった。
その方が斎藤くんの為にもなると思った。
私なんかに構う時間があるなら、
自分の人生を精一杯生きてほしかった。
嘘偽りの暴言はいつしか斎藤くんに対し、条件反射のごとく出るようになった。
私は斎藤くんが嫌い…
嫌い…嫌い…
自己暗示を何度もかけた。
そう、私は斎藤くんが…
―――大嫌い!!
「…せっかく忘れかけてたのに」
なんで来たの?
なんで私の前に現れたの?
わからない…
「…檸檬」
「…矢野くん」
声がした。
深く温かみのある…矢野くんだった。
「探した」
「な、なんで?」
矢野くんは少し息が上がっていた。
この炎天下の中、走り回ったのは明白…
なんで私なんかを探すの?
バイトの先輩だからって、そんな一生懸命探すことないのに。
「理由がないと探しちゃいけねーのか?」
「………」
ますますわけがわからない。
「檸檬…その、どっか行かね?」
「……」
「…わ、悪りぃ。用事あんだっけ?」
「…行く」
「え?」
「今日は帰らないって連絡したので…どこに行きたいですか?」
矢野くんの気遣いが嬉しかった。
私に気晴らしさせようと思って提案してくれたのだろう…
それに何より、
さっきの事を詮索しないでくれるのが嬉しかった。
「…カラオケでも行くか?」
「はい」
…しまった!!
なんか嬉しかったから、反射的にイエスしちゃったけど…
―――私、アニソンしか歌のレパートリーがなかった!!