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LEMON DEPENDENCE
第6章 矢野くんの主張!
in カラオケ

私と矢野くんはお互いなかなか曲を入力せず、ただひたすら機械とにらめっこしていた。

歌えない…

歌えば多分ひかれる…

てか、ドン引きされる可能性がある!!


できれば私としてはタンバリン係に徹したい。

…タンバリンなんて叩いたことないけど。


たのむ矢野くん。

なにか歌ってくれ!!



「…檸檬、なんか歌え」

「や、矢野くんこそなにか歌ってください」

「……」

「…」



気まずい沈黙。



「あのな檸檬…」

「…なんですか?」



嫌に矢野くんが真剣な表情をしている気がする。

私、なんか粗相でもしたっけ?



「檸檬には隠し事とかしたくない…」

「え…」

「だからドン引きされること覚悟で言う」

「…」

「兄貴の影響つーか…俺、アニソンしかレパートリーねーんだ」

「……」

「やっぱり引いたよな」

「…い、いえ」



私はこみあげてくる笑いを必死にこらえた。

なんだ、私たち同じ事思ってたんだ。



「引きません。というより引けませんよ」

「え?」

「私も矢野くんと同じです」

「…マジ?」

「マジです」



私と矢野くんは顔を見合わせて笑った。

ああ…おかしい。


それから二時間。

私たちはアニソン大会を繰り広げ、結果喉を傷めた。


…で、なぜか今。

私は矢野くんの家…

一人暮らしをしているというマンションに上り込んでいる。
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