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BlueSpinel~快楽に噎(むせ)ぶ処女姉妹~
第2章 交渉・晶の場合
『個室』は、非常に狭い。
ローカル鉄道などの四人掛けのシートより
もう一回り狭いスペースしかない。

「ほらほら、座ったら?」

晶に促されて、遠慮がちに男が腰掛ける。
対面で座ると、互いのヒザが交わるほどだ。

「タクミさんって言うの?」

「はい、匠海です」

名字とも、名前ともつかない。
偽名かもしれない。
だがそんな事は晶は気にしない。

背広姿の匠海は地味な人相だ。
定時上がりの公務員といった風情だ。

晶の見立てでは
30半(なか)ばか、40、でももっと若いかもしれない。
要するに、年齢も興味無かった。

単なるカモである。


「声かけてくれてありがとーございます」

「はい」

「どーしてワタシが良かったの?」

「えっと……可愛いから」

完全に晶が主導権を握って
トークを進めていく。

密着した足と足。
タイツに包まれた女の子のヒザは
男のスラックスに押し付けられている。

男の正常な判断を
狂わそうとしているような仕草だった。
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