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BlueSpinel~快楽に噎(むせ)ぶ処女姉妹~
第2章 交渉・晶の場合
「タクミさんってー」
匠海とは全然違う方を眺めつつ
晶が呑気な声を出す。
「何のお仕事してるの?」
「銀行員です」
「へー。見るからにって感じだね。
お堅そうだもんねー」
「よく、そう言われます」
「それで?」
「?」
「ホントは何してるの?」
肘で支えたままの貌が
つっと匠海の方を向いた。
小さな貌で笑顔を作っている。
薄く開いた口から 白い歯が覗く。
悪戯(いたずら)っぽい表情。
「だから、銀行員です」
「タクミさん、けっこうイイ体してるねー」
全然違う話題を振ってくる。
「スポーツやってるの?」
「たまに、スイミングしてます」
匠海は中肉中背といった体型だが
たしかに、背筋の辺りは隆々としていた。
晶の視線からは、匠海の背後が見える。
肩から上が、晶の方を振り返る格好だ。
「ガタイの割には、おとなしーんだね」
「ああ……上司によく言われます」
匠海が少し、はにかんだ。
「吠えない大型犬みたいだな、って」
匠海が、初めてジョークめいた事を言った。
晶はすかさず食いついた。
「その大型犬が何嗅ぎ回ってんの?」
「え」
晶は、チラチラと厭味を言っている。
「いや、何も……あの
意味が、わかりません」
匠海はとぼける積もりなのだろう。
もっさりした態度は変わらない。
あくまで低姿勢だ。
「とぼけるんだったら」
そう言ってから晶は、ベッドに
ぼふんっと貌を伏せた。
ベッドに両手をつけて
勿体(もったい)ぶるように肘を曲げて
起き上がった。
「白状、させちゃおうっかな♪」
シーツの上に坐り直し
ピョイと背筋を伸ばした。
束ねた髪と飾りが
ツーサイドで揺れた。