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BlueSpinel~快楽に噎(むせ)ぶ処女姉妹~
第3章 甘い刺激

「いつも電話が来ますね……
忙しいのなら、構わないですよ」

匠海は遠慮がちに言った。

「やだなあ~♪
水くさいコト言わないのっ」

晶は適当に受け流し
先導して歩いていく。


季節感のない
建造物に埋め尽くされた繁華街。

目抜き通りを横切り、狭い路地に入る。
雑貨店やヘアサロンなど、小洒落たショップが並んでいる。

それらをほとんど通り過ぎたあたりに
2階建ての複合店舗がある。

カーブした階段を登った先に
控えめな立て看板がある。

”パティスリー・ネージュヴァン”

あまり流行っていそうにない
洋菓子店だ。


店内に入ると、晶はキョロキョロと周囲を見回してから
ケーキの陳列棚に飛びついた。

「♪」

色彩りどりのケーキが並んでいる。
凝った焼き形のデニッシュ生地や
艶々としたフルーツのトッピング
ホイップクリームの真っ白な装飾。

それらに目を奪われて
嬉々として物色している姿は
たちまち、店内に馴染んだ。

晶の容貌やファッションセンスも
まるでお菓子の国から現れたような
そんな雰囲気を纏っているからだろう。

一方の匠海はといえば
じっと後ろに控えて、ただ待っている。
相変わらずの地味なスーツ姿だ。


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