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BlueSpinel~快楽に噎(むせ)ぶ処女姉妹~
第3章 甘い刺激
晶はチョコタルトにアップルパイ
それと紅茶を注文した。

匠海はコーヒーだけ頼み
晶の分もまとめて、トレーに受け取った。

店の奥のテーブル席に落ち着くと
晶は早速、アップルパイをかじりだす。

「ふむふむ」

かじりながら
おおむね、満足そうな声をあげている。


テーブル席には、他にもカップルや
中高年の女性客が居て、談笑している。
見た目は地味ながら、結構賑わっている。

店内はあまり明るくなく
壁にしつらえてあるアールデコの照明灯が
落ち着きのある採光でテーブルを照らしている。
ケーキショップというよりは、喫茶店のようだ。

「けっこうイケるよ」

晶は無邪気に、ケーキを賞味している。

匠海は少しずつコーヒーを啜(すす)り
それに付き合った。


……ケーキショップの店員を眺めていると
清潔そうな容姿の男性も、確かに居る。

ただ、誰が”イケメン”店員なのか、定かではない。
第一、晶はケーキに集中している。
店員の事はどうでもよかったのかもしれない。


店を出て、いつものホテルの方へ歩くとき
匠海は晶に店員のことを訊いてみた。

「タクミちゃん、そんな事気にしてたんだ」

晶はシレッと返してきた。

「店入ってすぐ見たけど
たいした事なかったよ」

「はあ……」

最近、晶は匠海の事を
”タクミちゃん”と呼んでいる。
親子ほども年が離れているのに、お気楽なものだ。


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