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小さな恋のうた
第3章 彼氏が3人!?
―キーンコーン~♪
「おーい香織!
帰るぞっ。」
『あ、いっちゃん。
ちょっと待ってー。』
終業のチャイムと共に
私のクラスにやって来たのは
幼なじみの一樹。
いつも授業が終わると
同じ帰宅部のいっちゃんは
隣のクラスから迎えに来る。
「香織ちゃーん。
まだいる?」
『あ、ゆうちゃん。
ゆうちゃんも今日部活無いの?』
遅れて来たのは
これまた幼なじみの
祐希くんことゆうちゃん。
1つ下の学年で軽音部。
部活が無いとこうして
私のクラスに迎えに来る。
「おい、祐希。
俺が先に香織迎えに
来てるんだけど。」
「いっちゃんいつも
香織ちゃんと一緒に
帰ってるじゃーん。
今日は僕と帰るの!」
―ガラガラッ。
「お前ら。
香織は今日俺と帰るんだ。」
『ちょっと…。』
私はいきなり現れた
1つ上の学年の幼なじみ
雅人くんに腕を掴まれた。
「あー!まさ兄抜け駆けだめーっ。」
「本当まさ兄は強引なんだから。」
『もー!今行くから
みんなで帰ろ!!』
こうして私たち昔から
近所の幼なじみ4人は
みんな同じ時間に授業が
終わるとよく一緒に
下校していた。
「でもさでもさぁー…
みんなで帰ったら
いっちゃんだけ最後
香織ちゃんと2人きり
ズルいよー。」
「だよな。俺が香織のこと
家まで送ってやるよ。」
『いーよ…。』
「香織だってもう子供じゃ
ないんだから大丈夫だって。
別に何もないしな。」
『うん…。』
「本当にー?」
「本当かよ、香織。」
『本当にいっちゃんとは
何も無いってば!
ほら、ゆうちゃんそっちでしょ。』
「ちぇ。また明日ねー。」
『ほら、まさ兄はあっちでしょ。』
「あぁ。またな。」
こうしてゆうちゃんと
まさ兄と離れて
いっちゃんと
数分だけの道のりを歩いた。