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銀剣士の憂鬱
第11章 再会
「チェチェ...」
次にチェチェが目を覚ましたときも、サラは側にいた。
チェチェはサラが無事で、今側にいるのだと分かると、とても安心した。
しかし、落ち着くとどうしても一つ気になっていたことを聞いてみた。
「あの、サ..いや、姉様。
その...私は...捕らわれているときに、なんていうのか...人間的には汚いというか。駄目なんだろうな。っていう行為をいくつかしてしまいました...」
「...させられたんだろ?」
サラの顔色が変わった。
「...はい。
...私のこと嫌いになりますか?」
(一体何をさせられたんだ!?
聞けない...いや、チェチェだって言いたくもないようなことに決まってる。
くそっ!あいつらめ。
やっぱり殺しておけばよかった。)
「何言ってる?
そんなことあるわけないだろ?
お前があんな目にあったのは私のせいじゃないか?
むしろ私がお前に嫌われていいはずだ。」
「そんなっ!
姉様のことを嫌いになんてなりません!
姉様のせいじゃない。
私が弱かったから、人の気配に気づけなくて、捕まったりしたから。
私がいけなかったんです。」
チェチェは真っ直ぐサラのことを見つめた。
サラはそんなチェチェをそっと抱き締めた。
「いや、私が悪い...
すぐに助けにいけなくて悪かった。
私だって、お前のこと嫌いになんかならない。
大丈夫だ。傷はちゃんと治るし、お前の身体もきれいだ。」
チェチェはサラの温もりや優しさを感じ、幸せだった。
しかし、一方でサラはチェチェの身体や心に深い傷をつけたことにひどく責任を感じ、何がなんでもチェチェに幸せになってもらいたいと心の底から思っていた。