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銀剣士の憂鬱
第13章 秘湯で
「何度もすまない...」
サラはチェチェをおぶって、また僧侶の家に戻ってきていた。
「いやいや、心配しとった。
無事で何よりだ。」
チェチェはその後、5日間寝込んだが、その間何度かガバッと起き上がるとサラがいなくなっていないか確認し、いることが分かると安心して眠った。
(...どうするかな?)
サラはとりあえず、この前押し倒された出来事はチェチェが毒の熱に犯されてやったことだから、忘れよう。
そう思うことにした。
(置いていけないのなら、せめて、少しでも心の傷が癒えることを考えた方がいいな。
確かこの先を3山ぐらい越えた先に秘湯があったな。連れてってやろう。)
僧侶はお礼に渡していたお金で立派な馬を購入してきてくれた。
「旅を続けるなら少しでも楽なものにした方がいい。」
サラはチェチェのことを思うとそれもそうだなと思い。チェチェが休んでいる間、馬の扱いなどを習った。
チェチェが万全になると、
「もう置いていかないから、二度と無理はするな。
連れて行きたいところがある。2日もあれば行けると思う。」
「分かりました!」
チェチェは満面の笑みで答えるとニコニコと旅の支度を始めた。