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銀剣士の憂鬱
第13章 秘湯で
僧侶の家を出るとき、サラは馬にチェチェと荷物を乗せた。が、

「そうかっ!馬って股開いて乗るんだよな!?やっぱ辛いよな??」

サラはふいに気づいて慌ててチェチェを下ろそうとした。

「身体はもう治ってるし、大丈夫ですっ!
むしろ私だけ楽して悪いぐらいです。
サラは気にし過ぎです。」

チェチェはサラのそんな不器用な優しさが好きだった。

「本当に世話になりました。
ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」

二人は僧侶に深々と礼をした。

「二人とも元気になって何よりだ。
むしろ、かわいい女性がいなくなってしまうと思うと寂しいぐらいだよ。」

僧侶はにこやかに答えた。

サラは馬の分も含めて、再び大量の礼金を僧侶に渡そうとしたが、

「あんたには町で問題になってた盗賊を倒してもらってるんだ。これぐらい当たり前だから、気にするな。」

「いや、気が済まない!!」

そんなやりとりを続けながら、僧侶も根負けし、それでもサラの出した礼金の半分のみ受け取った。

チェチェはそんなやりとりを見ていた。


(おじいさんにはとてもお世話になったけれど、やっぱりまたサラと旅ができるのは嬉しい。
またサラと二人っきりだ♪)


チェチェは礼金のやり取りなどどうでもよく、早く出発したかった。
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