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銀剣士の憂鬱
第13章 秘湯で
二人は町を抜けて、森を抜け、山へと入っていった。
サラは魔力のないチェチェのことを気遣い、魔物避けの小物をいくつか購入していたためか、魔物に出会うこともなく、順調だった。
サラは正直、チェチェにどう接していいか分からず、気まずかった。
以前、押し倒されたことが頭の片隅に残っていたこともそうだが、何より自分のせいでチェチェは身体に散々な痛みを植え付けられたのだと思うと、それだけで何も話すことができなかった。
サラはただ黙って馬をひいていた。
一方チェチェはサラと旅ができることを喜んでいたが、頭の片隅に残っていることを何度も思い返していた。
(熱に浮かされていたせいかあまり覚えてないけれど、
「あぁっ!」って、確かサラが「あぁっ!」って。
確かにそういうことがあった。
なんとなく、手にサラの柔らかい胸の感覚が残ってる。
「あぁっ!」
かわいかった。
もう一回聞きたい...)
チェチェはサラの後ろ姿を眺めながら、もう毒は残っていなかったが、軽く身体が火照っていた。
いつもなら山を通るときは道など気にせず、近そうな道を進むことも多いサラだが、馬がいるとなるとそういう訳にもいかず、遠回りながらも歩きやすい道を進んでいたため、目的地までは時間がかかった。
夜が更け、野宿の準備をする。
いつもなら食後は比較的魔物や盗賊に襲われることの少ない、大きめの木の枝やちょっとした洞窟等で休むが、馬のことも気にして、その日はあまり道から離れず、川に近い場所で休むことにした。
サラは野宿する場所を見つけるのも、焚き火の枝を探すのも自分がやると買って出るチェチェの申し出を断り、馬の世話まで全て自分でやった。
サラは魔力のないチェチェのことを気遣い、魔物避けの小物をいくつか購入していたためか、魔物に出会うこともなく、順調だった。
サラは正直、チェチェにどう接していいか分からず、気まずかった。
以前、押し倒されたことが頭の片隅に残っていたこともそうだが、何より自分のせいでチェチェは身体に散々な痛みを植え付けられたのだと思うと、それだけで何も話すことができなかった。
サラはただ黙って馬をひいていた。
一方チェチェはサラと旅ができることを喜んでいたが、頭の片隅に残っていることを何度も思い返していた。
(熱に浮かされていたせいかあまり覚えてないけれど、
「あぁっ!」って、確かサラが「あぁっ!」って。
確かにそういうことがあった。
なんとなく、手にサラの柔らかい胸の感覚が残ってる。
「あぁっ!」
かわいかった。
もう一回聞きたい...)
チェチェはサラの後ろ姿を眺めながら、もう毒は残っていなかったが、軽く身体が火照っていた。
いつもなら山を通るときは道など気にせず、近そうな道を進むことも多いサラだが、馬がいるとなるとそういう訳にもいかず、遠回りながらも歩きやすい道を進んでいたため、目的地までは時間がかかった。
夜が更け、野宿の準備をする。
いつもなら食後は比較的魔物や盗賊に襲われることの少ない、大きめの木の枝やちょっとした洞窟等で休むが、馬のことも気にして、その日はあまり道から離れず、川に近い場所で休むことにした。
サラは野宿する場所を見つけるのも、焚き火の枝を探すのも自分がやると買って出るチェチェの申し出を断り、馬の世話まで全て自分でやった。