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銀剣士の憂鬱
第13章 秘湯で
チェチェは荷物扱いされたような気がしてムッとしていたが、サラは気にすることなく、パンと簡単に作ったスープを食べると焚き火を気にしつつ、寝てしまった。


チェチェはサラの寝顔を見つめた。

チェチェはサラと一緒にいられることに幸せを感じていた。
そのため、本当はもっとサラの役に立ちたいのだ。

盗賊に捕らわれていたときは拷問のような扱いの数々に苦しんだが、しかし、それ以上にサラのことが心配で気が気じゃなかった。

またこうして寝顔が見られる今はとても幸福だった。


サラの髪、唇を見つめる。
鎧の中のしなやかな身体を思う。

「あぁっ!」とサラの発した声を思い出す。

チェチェはサラに近づいた。

髪に触れ、柔らかそうな唇に顔を近づける。


「チェチェ...」

チェチェは一瞬ビクッとして、思わず顔を離した。

「チェチェ...すまない...すまない...」

チェチェはサラが起きたのかと思い、一瞬動揺したが、サラはうなされていた。

チェチェはそんなサラをしばらく見つめると、サラの隣で眠りについた。
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