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銀剣士の憂鬱
第13章 秘湯で
二人が目的地に着いたのは翌日の夕方頃だった。

知る人ぞ知る秘湯で、あまり人が来ない場所だった。
なぜか魔物達は温泉には近づいてこないので、今日はこの付近で野宿しようとサラは考えていた。

他に誰もいないことを確認すると、二人は気兼ねなく服を脱いで温泉に浸かった。

「たまにはこういうのもいいですね♪
姉様も疲れてるだろうし、ゆっくりして下さい。
今日こそは私が食事の用意とかいろいろやりますから!」

チェチェはサラと一緒の温泉で機嫌が良かった。

「ああ...」

しかし、サラの気分は相変わらずだった。

チェチェが楽しそうにしてくれるのは良かったのだが、どうしてもチェチェの痛々しい姿を思い出してしまい、チェチェの裸を直視することができなかったのだ。


(自分で行こう!とか言っておいてなんだけど、もっと別のとこに行けば良かった...)


「いや、やっぱり私が焚き火用の枝を探してくるよ。チェチェはゆっくり浸かってて。」


(そんなっ!!)


チェチェは思わずサラの腕をつかんで引き留めた。

「そんなこと言わずにせっかく来たんですからっ!」

チェチェがぎゅっとサラの腕をつかんだ拍子にサラの腕に微かにチェチェの胸が触れた。


(チェチェは胸がでかいからな...
きっとあいつらにたくさん弄ばれたに違いない。
チェチェはそれでも元気そうにしてる。
無理しなくてもいいのに...)


サラは振り返ってチェチェを見つめた。
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