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銀剣士の憂鬱
第13章 秘湯で
「サラっ!!」
近づく魔物の足音を聞きながらもサラの目に走ってくるチェチェの姿が目に入った。
(良かった。
剣持ってる...)
「チェチェ...剣を..」
しかし、血だらけのサラを見たチェチェは驚愕し、そのまま魔物へのと立ち向かって行った。
チェチェの魔力がなくなっても大丈夫なようにサラは旅の合間にチェチェに剣の使い方を教えていたが、サラほどではなかった。
「チェチェ...駄目だ。逃げろ...」
チェチェはサラの微かな言葉を聞こえないふりをした。
(サラ...怪我がひどい。
手当てしたいけど、この状況だと止血してる間に二人して襲われてしまう。
とりあえず、魔物の足だけでも致命傷を負わせて、サラを抱えて逃げよう。)
チェチェに気付きこちらに走ってくる魔物との距離間をしっかり把握しながら、剣を構えて魔物を待ち構えると、狙ってくる寸前で避けて、魔物の攻撃してきた腕を狙って剣を振った。
やった!!
勢いやタイミングが良かったのか運よく魔物の片腕を切り落とすことに成功した。
ギャアアアッッ!!!
しかし、魔物が怯むかと思いきや怪我でより攻撃的になった魔物の次の一手はチェチェが思っていたよりも、早かった。
あっという間にもう片方の腕が振り下ろされ、慌てて身構えたチェチェの構えは甘く、剣が弾き飛ばされてしまった。
ドスッ
ザンッ
続けて繰り広げられる攻撃にチェチェはとにかく避けるしかできなかったが、
「うわっっ」
あまりに早い攻撃をかわすのがやっとで、次の瞬間に足がもつれてこけてしまった。
(しまった!
こんなところで、諦めたら今度こそサラはっ...)
素手でも立ち向かおうとしたその時、