この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
銀剣士の憂鬱
第13章 秘湯で
「チェチェ伏せろっ!」
言われた通り伏せるとサラの投げた剣がちょうど魔物の胸を貫いた。
ギャアアアッッッッ
ドサッ
魔物はそのまま後ろへと倒れ、動かなくなった。
チェチェは急いでサラの元に駆け寄る。
「運が良かったな...剣がたまたま側に落ちてきたから...」
とか言いつつも、あちこちに血の痕があり、明らかにサラが無理して動いた痕だった。
(魔力のない私はなんて無力なんだろう...
結局、いつも助けられてばかりだ。
役に立ちたいのに。
あっ!人の気配を感じる...)
チェチェは少し離れた場所で人の気配を感じた。
チェチェは持っていた衣類で急いでサラの止血をし、身体にタオルを被せると、身に付けていた魔物避けのネックレスをサラに持たせた。
「すぐに戻ります!」
人の気配を感じる方へ走っていった。
1km も行かないところで、旅の者なのか数人の団体を見つけた。
(助けてくれるかは分からない。
でも一か八か!)
サラは彼らの前に飛び出していった。
「お願いします!連れの者が魔物に襲われてしまって、助けて下さい!!」
「!!!」
「お願いします!!」
「分かりました。困ったときはお互いさまです。行きましょう。」
突然の美少女の出現に一同は一瞬びっくりしていたが、代表格のような美青年はそう言って微笑むと快く引き受けて、サラのもとに駆けつけてくれた。