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銀剣士の憂鬱
第13章 秘湯で
チェチェが戻るとサラの姿はなく、点々とした血の痕から予想すると、どうもサラは倒した魔物から剣を引き抜くと、秘湯の方へ戻っているらしかった。

「サラっっ!!!何してるんですかっ!!」

血の痕を追いかけてサラを見つけたチェチェは激怒した。

「そんな身体で動いたら駄目ですっ!!
人を呼んできました。」

「あまり...人に頼りたくない...」

と言いつつも、サラはチェチェの巻いた布ももう血だらけの上、血が滴り落ちている状態で顔色も相当悪かった。

「こんなときに何言ってるんですかっ!?

お願いします!!」

そう言うと、連れてきた人達にサラの介抱をお願いした。

「ひどい怪我ですね。
とりあえず、家に運びましょう。
うちはここからもう少し行った先にありますし、魔術師もいますから。」

美青年はそう言うと連れの者にサラを運ぶように命じた。

「いやだ...兜がない...顔を見られたくない...」

サラは弱々しいながらも抵抗した。

「バカですかっ!?
こんなときにそんなこと気にしてる場合じゃないでしょう!!!」


(バカって!?
お前なんかさっき秘湯で意味不明な行動してきたくせにっっ!!!)


サラは内心腹立たしかったが、確かにそろそろ体力も限界で抵抗できそうになかったので、大人しく従った。
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