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銀剣士の憂鬱
第14章 いい拾い物

サラは運ばれている途中に意識を無くしていた。
チェチェは一時もサラから離れたくなかったが、すぐに追い付くと伝えると秘湯に戻り、置いてきていた荷物と馬を連れ、すぐに一同に合流した。

確かに家はそう遠くはなく、3時間も経たず着いた。

家はとても立派な屋敷だった。

美青年の弟が魔術師ということで、サラの治療をお願いすることにした。


「すみません。僕の力だとこの大怪我にはちょっと時間がかかります。」

ということで、サラの治療には5日ほどかかるということだった。

兄弟は二人揃って美青年で、兄の方は現在事業のため留守にしている父親に代わって、地域の会合に参加してきた帰りにチェチェ達と出会ったのだった。

弟の方はどうせ家業は兄が継ぐので、自由奔放に昔から憧れていた魔術師になったということだった。

チェチェは二人の身の上話を聞きつつ、聞かれるままに自分達のことも話した。

2日経っても目を覚まさないサラのことは心配だったが、お世話になっているのだからとチェチェは屋敷のメイド達に紛れて家の仕事を手伝っていた。
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