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銀剣士の憂鬱
第14章 いい拾い物
クリスは受け取った宝石の1つをランスに渡した。

「これは良いものですね。この辺では手に入らない品です。どちらで入手されたんですか?」

「西の国で魔物を退治したときに王様から頂いたものです。気にいってもらえたなら良かった。」

「いえ、十分過ぎる品です。
では、私達は失礼しますので、どうぞゆっくりと休んで下さい。」

クリスとランスはそう言うと部屋から去って行った。


二人は廊下に出て、しばらく歩くとヒソヒソと話始めた。

「やっぱり兄貴の言うとおり、本物の銀剣士だな。こんな宝石はそんじょそこらの旅人だと入手できない。」

「そうだろ?恩を売っておいて損はない。」

「むしろ怪我してるなら、今のうちに剣士を倒して、荷物も奪って、女も適当に言いくるめた方がてっとり早いんじゃねえの?」

「お前は紳士らしくないな。
女を落とすには手順ってもんがあるんだよ。

剣士には恩を売ったんだから、ここで用心棒にでもなってもらおう。銀剣士は名前が売れてるから十分に使える。
むしろ剣士が女で良かった。
苦労せずにあの女も手に入るしな。」

「...苦労しないか?

あの女の剣士に対する態度。
ひょっとしたら、女同士の方の趣味があるんじゃねえの?」

「二人で旅してる訳だから、そんなのただの馴れ初めさ。
結局は男と女が一番だってことを教えてやればいい。
お前は介抱しつつ、剣士がここで働くように適当に言いくるめとけ。」

「しょうがねえな。」
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