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銀剣士の憂鬱
第15章 男性なら
「今日は何をしましょう?」
サラが目覚めた翌日、朝からチェチェはにこやかに執事長に聞いていた。
屋敷に来てからチェチェはお世話になっているのだからと、いつも屋敷の手伝いを申し出ていたが、正直使用人も足りている中で執事長はたじたじだった。「何もしなくても大丈夫ですよ。」と言ってもチェチェは引かないのだ。
そこへクリスが通りがかった。
「チェチェさん、たまには一緒に庭でも散歩しませんか?」
「いえ、そんなのんびりとしたことをする訳にはいきません!」
「庭には花がたくさん咲いているので、サラさんの部屋に持っていくと喜んでもらえますよ。」
「そうですか♪では、行きます。」
サラが喜ぶならと、
チェチェはクリスの後について歩き出した。
「チェチェさんは本当にサラさんのことが好きなんですね。」
「はいっ♪姉様には何度も命を助けてもらいました。」
「そうですか。」
二人はそんな話をしながら、庭へと出て行った。
外には大きな屋敷に見合った立派な庭園が広がっている。
「花がたくさん咲いているのはあちらになります。」
チェチェはクリスに案内されるままついて行った。
「たくさんの種類があるんですね。」
チェチェはサラがどんな花が好きだったか記憶を辿っていた。
「この花なんかは清楚で可愛らしくてチェチェさんに似合いますね。」
クリスは白い小さな花を1つ摘まむとチェチェに差し出した。
「可愛らしい花ですね。白くて姉様にも似合いそう。」
「...チェチェさんは本当にサラさんのことばかりですね。
でも、たまにはご自身のことも考えないともったいないですよ。」