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銀剣士の憂鬱
第15章 男性なら

「あなたはこんなにも可愛らしいのだから、もっとおしゃれして、きれいな服を着ればもっと魅力的になる...」

花に囲まれた庭園で、心地いい花の香りの漂うなか、クリスはチェチェの髪を撫でながら言った。

「...魅力的とは?」

自分の身なりを気にしたことのなかったチェチェには分からなかった。

「その人の持つ美しさが引き出される。ということです。誰もが好きになってしまうほど素敵になれますよ。

チェチェさんは旅ばかりの毎日でしょう?
若い時間なんてすぐに過ぎてしまいますよ。
私ならあなたの魅力を引き出してあげることができます。」


(魅力的になったら、サラは喜んでくれるだろうか?
もっと私と触れあってくれるだろうか?)


チェチェは秘湯でサラが去ってしまったことをちらっと思い出した。


「どうしたら、魅力的になれるんでしょうか?」

「いいですよ。行きましょう。」

クリスはチェチェにそっと肩を回してその場を去ろうとした。

「待って。サラへの花を選んでいいですか?」

チェチェはクリスの腕からするりと抜けると辺りを見回した。


(あれがいい!)


チェチェは凛と立つ白くて大きめな花を見つけると1つ摘んで、クリスの後について行った。
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