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銀剣士の憂鬱
第15章 男性なら
「昨日はあまり食事を摂られませんでしたね。まだ食欲がありませんでしたか?」
サラはランスの治療を受けていた。
「あぁ、すまない...」
サラは仕事の話をするのならまだしも、美青年から治療受けるという今のこの状況が耐えられなかった。
二人きりの空間が耐えられず、早く今日の治療を終えて去って欲しいとサラは思っていたが、ランスは治療を終えてもまだ話があるという感じで残っていた。
「ちなみにチェチェさんとはどういった関係になるんですか?」
「一緒に旅をしている。妹みたいな存在だ。」
旅先でチェチェのことを聞かれることはよくあった。その度にサラはそう答えていた。
その時、窓の外の庭でクリスと一緒に歩くチェチェの姿が見えた。
「いえ、兄がチェチェさんのこと気にしてましたので。」
「そうみたいだな...
ここに来てから、2人は仲がいいのか?」
「...まぁ、そうですね。」
「そうか...」
(どんなに言い寄られてもさらりと交わしてきたあいつにしては珍しいな。
でも、最近はおかしいことばっかりだからな。
やっぱり、あんなことがあったから心境の変化でもあったかな?)
「やっぱり、長く一緒に旅をしてきたんだから、兄にチェチェさんを取られる気がして嫌ですか?」
「えっ...?
...いや、むしろいい機会かもしれない。」
なんだかんだと悩んでいたサラだったが、やはりチェチェの幸せが一番だと考えていた。
「そうですか。
食事をお持ちしますね。
今日は食べやすいものにしておきますから。」