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銀剣士の憂鬱
第15章 男性なら
「はぁ~...」
(やっといなくなった。
治療してもらえるのはありがたいけど、気まず過ぎる。早く兜かぶりたい。というか早くここから去ってしまいたい。
明日には治ると言ってたから、明日出よう。)
屋敷は置いてある家具から何もかもが美しくてサラは合わなかった。
しばらくぼんやりと過ごしていると、
コンコンッ
ノックをする音があり、チェチェが入ってきた。
「姉様、起きてる?」
チェチェはいつもと違いふんわりとしたピンクのワンピースを着ており、髪にもきれいな髪飾りをつけていた。
全体的にチェチェの容姿にぴったりと合い、可愛いらしさがより引き立っていた。
「はい♪花を持ってきました。
ずっと部屋の中にいて退屈でしょう?」
チェチェは頬をいつもよりピンクに染めて、にこやかにサラに微笑んだ。
(恋をすると人は変わる。っていうのはこのことか?)
サラは唖然としてチェチェを見ていた。
チェチェはそんなサラに気づいた。
「魅力的ですか?」
「あぁ...」
(良かった♪サラが喜んでくれてる!)
コンコンッ
再びノックの音がし、ランスが食事を運んできた。
「私がやります!」
「大丈夫ですよ。チェチェさん、今日の格好は可愛らしいですね。」
ランスはさらりとチェチェを交わして、食事をベットの側のテーブルに置いた。
「では、食事のお世話をします!」
「...チェチェ、一人で食べられるから大丈夫だ。治療だって今は彼がしてくれている。
私のことは大丈夫だから、気にしなくていい。」
「えっ...」
チェチェは急に突き放された気がして寂しかった。