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銀剣士の憂鬱
第15章 男性なら
「男性なら幸せにできるんですか?」
やがて、チェチェはクリスにまっすぐに聞いてきた。
「もちろん。私ならあなたにきれいな服を着せて、美味しいものもたくさん食べさせてあげられる。
あなたは男性を知らないだけですよ。」
「男性を知らない...??」
クリスは話にいちいち過剰に反応してくるチェチェをつい可愛らしいと思い、もう少しからかいたい気持ちになった。
立ち上がり、チェチェの側にいくと顔を引き寄せて唇を重ねた。
チェチェの唇はぷっくりと弾力があり、なんともいえず心地がいい。
ふいに離すと目の前の彼女は潤んだような瞳でこちらを見ている。
「えっと....これは...??」
クリスは彼女の可愛らしさに、戸惑う彼女を無視して、再び唇を合わせた。
今度は深く、舌を入れてゆっくり優しく彼女の口を味わっていく。
一方、チェチェは冷静だった。
潤んだ瞳というのはクリスの完全な思い込みだった。
(えっと、この感じは盗賊の時とはなんか違うな。
そうか。こんなふうにすればいいのか。)
チェチェはクリスに唇を奪われながら、抵抗もせず、そんなことを考えていた。
やがて、長いキスののちクリスはチェチェを離した。
「すみませんっ!つい、あなたが魅力的でこんな真似をっ!本当に申し訳ないっ!」
クリスは顔を赤くして顔を片手で覆い、恥ずかしがるふりをした。
「いえ、こちらこそいろいろと教えていただいてありがとうございます。
少し考え事をしたいので、一人になってもいいですか?」
「本当にすみませんっ!良かったら、この部屋を使って下さい。私は行きますので!」
クリスは恥ずかしくて気まずさのあまり部屋を出ていくふりをしながら部屋を出た。
廊下に出るとクリスは身なりを整えた。
(嫌がってはいなかったな。
いろいろ教える?ちょっと分からないけど、まぁ抵抗しなかったし、脈ありだな。)
そんなことを思いながら廊下を歩いていった。