この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
銀剣士の憂鬱
第16章 魔物の相手
「チェチェさん?どちらに行かれるんですか?」
身支度をして、家から出ようとするチェチェをクリスが捕まえた。
「突然すみません...
お世話になったのに挨拶もせずに...
ただ、どうしても今はここにはいたくないんです。」
「何があったんですか?」
クリスはうつむくチェチェに優しく訊ねた。
「サラにとっては私はいない方がいいんです。私がいるとサラは幸せにはなれない...」
「...そうですか。
サラさんの幸せを考えるあなたは優しい。
でも、あなたには私がいる。
そんなに悲しむことはないですよ。」
クリスはチェチェを優しく抱き寄せた。
「私にとってはサラが全てなんです!!」
チェチェはそう言ってクリスを押し退けると
「お世話になりました!」とだけ残し、屋敷を出ていった。
残されたクリスは唖然として、佇んでいた。